SPLENDID代表・塩谷航平氏に聞く「令和時代のアフィリエイターの生存戦略」

塩谷航平
みんなの副業

これまで、オンラインメディア運営と言えば、ランニングコストがほとんどかからず、自分のペースで進められることから副業としても人気なジャンルでした。しかし、近年は、度重なるGoogleのアップデートにより、今まで以上にドメインの強さや、獲得している被リンクの質が重視されるようになっことでオンラインメディア単体で安定した収益を確保するのがより難しくなってきていると言われています。

「メディア運営は正直しんどい、、、」「アフィリエイト一本で食べていくのは現実的ではない」

と考えているメディア運営者の方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、独立して2年たらずで、自身のメディアを売却した株式会社SPLENDID代表取締役社長の塩谷航平さんに、これからの時代に必要なメディア運営戦略やアフィリエイターの目指すべきキャリアパスについて語って頂きました。

【塩谷航平】
株式会社SPLENDID/代表取締役社長 1990年 福岡生まれ。東北大学卒業後、野村證券株式会社にてリテール営業に従事。2017年2月に株式会社SPLENDIDを設立。正しい医療情報を発信するWEBメディア「medicommi」を運営。2018年11月、クオールホールディングスに参画。

 

証券会社を辞め、メディア運営会社を設立

-はじめに塩谷さんの経歴を簡単に教えてください。

大学卒業後、新卒で野村証券に入社し、リテイルに配属され支店営業に従事しました。2年半程勤務した後に、ファッション系メディアの運用を始めたのですが、1年半程は鳴かず飛ばずの時期が続きました。

その後、株式会社SPLENDIDを創業してメディコミという医療メディアを作ったところ、上手く市場のニーズとマッチして数字が伸びていき、2018年に、SPLENDIDの全株式を調剤薬局チェーンのクオールホールでイングスの子会社のアポプラスステーションという会社に売却し、現在に至ります。

-塩谷さんが起業をしたキッカケについて教えて頂けますか?

私が大学を卒業した2013年当時は、VCが活発に投資をしており、ベンチャー企業が次々を生まれている時期であり、ベンチャー業界自体が盛り上がり始めた時でした。

当時、私は証券会社の渋谷支店に配属されていたこともあり、上場準備やM&Aなどで起業家の方々と接する機会が多くあったのですが、自分とさほど変わらない年齢の起業家の方々には感化されることの多い日々でした。

彼らと接していて「難しいことにチャレンジしているものの、決して自分に不可能なことではない」と思い、起業を決意しました。実際は、その当時メディアバブルが来ていたので、自分もこの波に乗りたいというミーハー根性もありましたね(笑)。

-ヘルスケア領域は、ベンチャー企業には難しいと言われていますが、何故、メディコミを作ろうと考えたのですか?

ヘルスケア広告は非常に大きな市場なので、かねてより関心を寄せていましたが、当時はWELQが一社でヘルスケア広告の市場を寡占している状態であり、主要なクエリも彼らがほとんど独占していたため、そこに切り込んでいくのは難しいだろうと考えていました。

そんな折に、いわゆるWELQ事件が起こり、彼らが撤退して大きなパイが生じたため、商機とみてヘルスケア広告への参入を決めたのです。当時、大企業がヘルスケア広告の領域に参入するような雰囲気がなかったことも後押しとなりました。

WELQは、記事を外部に発注していたため、クオリティのコントロールが効かなくなり、あのような事件が起こってしまったと言われています。

そこで私達は、メディコミを立ち上げる際に、創業メンバーや役員に複数の医師を招致することで、コンテンツのクオリティを担保し、WELQの抱えていたような問題を打破出来るのではないかと考えチャレンジすることになったのです。

【WELQ事件に関する参考記事】
業界を激震させた、ウェルクアップデートとは一体何だったのか。
「炎上」が暴いたDeNA劣悪メディアの仕掛け

ETA(専門性・信頼性・権威性)がより重視される時代に

塩谷航平②

-はじめからETA(専門性・信頼性・権威性)を固めていったのですね?

 そうですね。メディコミでは、ファッションメディアの時の経験を活かして、はじめからETAを重視したサイト作りをしていきました。

ファッションメディでは、PV数と広告獲得という二つの軸をKPIにしてPDCAを回していたのですが、PV数が伸びたからといって、クライアント企業が広告を出したいと思うかどうかは全く別問題でした。特にファッション業界の広告主の方々は、トラフィックよりもメディアのブランディングイメージや権威性などを重視する傾向があります。

そのため、ブランディングや権威性についてはかなり意識し、SEO以外にも、オフラインの施策やインフルエンサーマーケティングなど様々な施策を試していきました。ファッションメディアは結果的に撤退しましたが、その時に検証したことはメディコミでも活かされています。

-これまで副業として人気なジャンルであったメディア運営も、近年は難しくなっているという印象ですが、どのようにお考えでしょうか?

プレイヤーが増えて競争が激しくなってきたことに加えて、今まで以上にGoogleがETA(専門性・信頼性・権威性)を重視するようになったため、文字数の多い記事を大量に投稿するような従来の手法は、年々厳しくなってきていると思います。

Googleは「運営会社はどういった会社なのか」「運営会社は社会的信用のある会社なのか」といったことをかなり正確に評価するようになってきており、Google検索の1ページ目に表示されるためには、相応の社会的責任が問われる時代になったと肌で感じます。

被リンクに関してもGoogleは、不正な被リンクをかなり厳密に見ていると思います。不自然な形で被リンクを集めるようなやり方はますます効果がなくなってきています。

ただ、個人でアフィリエイトサイトの運営で月数百万円稼ぐのは難しくなってきたものの、月10万から20万円稼ぐといったレベルでしたら、業界とテーマ選定を間違わなければ、まだまだ可能性はあります。

令和時代のアフィリエイターの生存戦略

-今後メディア運営では何が重要になっていくのでしょうか?

SEOの小手先のテクニックは、年々、効果がなくなってきているため、これからのメディア運営では、運営母体の社会的信用力に加えて、魅力的なコンテンツを作る企画力やUIUXを最適化するデザイン力などがより重要になっています。

また、toC向けのアフィリエイトメディアはかなり難しくなってきていますが、toB向けのメディア市場はまだまだ可能性があります。

例えば、ビズパというサイトは、全国のフリーペーパー、雑誌、サイネージ広告などのオフライン広告を検索し、見積依頼・発注まで出来るサービスで、各広告媒体が端正な文章で紹介されています。

これまで、このような切り口で広告媒体の枠をポジティブに紹介するメディアはほとんどなかったため、ビズパに紹介された広告媒体のオーナーからしたら、自然とリンクを送りたくなるものです。ビズパには、卓越した企画力を感じると共にtoB向けサイト運営の可能性を感じました。

bizpa

-SEOノウハウ系の情報商材やオンラインサロンにピボットするアフィリエイターもいますがどう思われますか?

自分のサイトの収益だけだと食べていけなくなって情報商材を売ったり、オンラインサロンをやる人もいますが、情報商材やオンラインサロンは完全に玉泉混交の世界ですね。特にSEO系のノウハウは、基本的にググれば出てくるので付加価値を作るのは難しいですし、ノウハウとして公開した時点で差別化要因にはならなくなるので、個人的にはあまり良い道だとは思いません。

WEBマーケティングの受託でバリューを出す

-アフィリエイターがWEBマーケターとして企業に参画することに関してはどう思われますか?

 今後は、メディア運営の経験を活かして、整体やクリニックなどのオウンドメディア運営を請け負ったり、事業会社からSEO対策やWEBマーケティングの仕事を受託するのがアフィリエイターにとってのひとつの勝ちパターンだと考えています。弊社でも、自社メディア運営の他、メディア制作の受託業務や医療系記事の執筆代行を行っています。

大企業からすると実際に手を動かして、成果主義で働いてくれる人材は非常に重宝されます。弊社でもweb マーケティングの仕事をアフィリエイターの方に委託していますが、自分でサイト運営をしていた経験のある人は、PDCAを高頻度で回して軌道修正をし続けるという基本動作が身についていますし、WEBマーケティング全般の知識が身についているので大きなバリューが出せます。

-最後にアフィリエイターの方にメッセージをお願い致します

サイト運営で月数百万稼げるという時代ではなくなりましたが、アフィリエイトサイト運営で月10万円でも稼いでいたという経験は必ず役に立ちます。今後は、toB領域に着目したり、企業からWEBマーケティングの業務を受託する意識を持つことで、より大きな可能性が広がっていくと思います。

副業エンジン編集部

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