近ごろ、副業というと「プログラミングスクールに通おう!」、「手に職をつけよう!エンジニアになろう!」といった広告が溢れています。
プログラミングを学ぶこと自体は、決して悪いことではありませんし、中には非常に優れたプログラミングスクールもあります。
しかし、皆さんは、こんなことを思ったことはありませんか?
「プログラミングに興味はあるけど、学習コストが高すぎる」
「プログラミングスクールを検討したけど、そもそも日本ではエンジニアってIT土方って呼ばれてない?報われない職業じゃなかったっけ」
そうなんです。プログラミングでしっかりと稼げるようになるまでは、相応の努力と年月が必要になります。また、プログラミングは国や言語の垣根のない世界であるため、低賃金で長時間働く中国やインド、東南アジアのエンジニアと競合しなければならない世界です。
相当の覚悟がない限り、未経験の人がプログラミングスクールに通いエンジニアを目指すことはオススメできません。
ノーコード開発をする場合を例外として、、、
プログラミングをしないアプリ開発
「なぜ、現代にいたっても、我々はコンピュータの言葉で話さないといけないのか。コンピュータにこそ、我々の言葉を話させるべきではないのか」
Bubble CEO エマニュエル・シュトラフノフ
近頃、ノーコード開発というフレーズをよく耳にするのではないでしょうか?
ノーコード開発とは、文字通り、コーディングをせずにアプリ開発をすることを指し、 AdaloやBubbleといった各種ノーコード開発ツールを使うことで、パワーポイントを操作するような感覚でドラッグ&ドロップしていくことで、誰でも気軽にアプリ開発をすることが出来ます。
先日、ノーコード開発ツールAdaloを利用して開発されたSPOTTOというオンライン就活アプリが買収されたことは、日経新聞でも取り上げられるなど大きな話題となりました。
そこで今回は、ノーコード開発の持つインパクトやノーコード開発ルーツを使った副業の可能性について紹介したいと思います。
【就活生必見】「SPOTTO」アフターコロナのオンライン就活に革命を
IT業界が根底から変わる、日本人の知らないノーコードアプリの衝撃
ノーコード開発が注目を集めるようになった理由
プログラミング不要のノーコード開発ツールは、数年前からありましたが、機能に制限が多く、表現の幅が限られていたため、ノーコードだけで優れたアプリを開発することは出来ず、趣味の範疇を超えないものでした。
しかし、昨年、Adalo やBubbleの大幅なアップグレードにより、優れたUIのアプリケーションを誰でも気軽に開発できる環境が整ってきたことで、開発環境が激変し注目を集めることとなったのです。
2020年になると、世界各国でノーコード開発ツールを使ったアプリのM&Aの案件が出てくるようになります。
例えばフードデリバリーサービスのインドのSwiggyは、すべてノーコード開発ツールBubbleで開発されており、Uber Eatsをインドから撤退させ、時価総額1000億円以上の評価をされています。
前述したように、日本でもオンライン就活アプリのSPOTTOが買収されたことは、日本初のノーコードアプリのM&A案件として大きなインパクトを与えました。
今後、ノーコードによるアプリ開発はますます増えていくと考えられています。
10年後にはほとんどのプラダクトがノーコードで作られるだろう。
WebflowCEOヴラッド・マグダリン
ノーコード開発の特徴
それではノーコード開発のメリットにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
①開発スピードが速い
従来のプログラミングによる開発だと数か月かかっていた工程もノーコード開発だと数週間で完了するといったスピード感で開発が進みます。
②コストが安い
開発スピードが速くなることで、当然開発コストも下がります。コスト減によるメリットは説明するまでもないでしょう。
③学習コストが低い
ノーコード開発ツールはプログラミング言語を学習することに比べて圧倒的に、学習コストが低いのが特徴です。従来、アプリ開発を出来るようにするためには、それ相応の学習が必要でした。ノーコード開発ツールも慣れるためには、それなりの学習が必要ですが、アプリを開発できるようになるまでの期間は圧倒的に短くなったのです。
④保守運用のコスト削減
従来はアプリの開発が完了しても保守運用についてはエンジニアが行っていました。ノーコードアプリではエンジニアでなくても保守運用が可能になり、細かい修正点など
⑤精神的負荷の低減
従来の開発では、バグやエラーが発生した時には早急に対応しなければならないため、開発者たちにとっては大きなストレスでした。ノーコード開発ツールは、基本的にバグはないため、開発者の負担は激減します。
ノーコード開発のもたらす変化とメリット
ノーコード開発には以下のようなメリットがあります。
①非エンジニアでもアプリ開発が可能になる
ノーコード開発ツールは、ワードプレスに例えられます。ワードプレスの登場により、htmlやcssを扱えない人でも、気軽にホームページを作れるようになりました。ノーコード開発は、より多くの人々にアプリ開発の門戸を広げるのです。
②時勢の流れに応じて迅速なサービス展開が出来る。
開発速度が速くなり、開発コストが安くなることで、トレンドに合わせて迅速なサービス展開が可能になります。日本初のノーコードアプリのM&A案件となったSPOTTOも、コロナにより激変した就職活動に対応して、たった数日開発されました。
③よりクリエイティブな工程に労力を割ける。
プログラミングが不要になることで、ユーザーインターフェースの設計といったよりクリエイティブな工程に労力を割けるようになります。
ノーコードの課題
近年、目覚ましい進化を遂げているノーコードですが、まだまだ発展途上な面もあり、誰しもがあらゆる機能を実装したアプリを開発できるというわけではありません。
また、発展途上な技術であるため、業界のスタンダードが出来ておらず、学習環境も整備されているわけではありません。現状、AdaloやBubbleは一歩リードしている状況ですが、今後よりよいプラットフォームが開発される可能性もあります。
注目のノーコード開発ツール
数多くのノーコード開発のプラットフォームが生まれてきていますが、ここで注目の3つを紹介したいと思います。
Adalo
UIに優れたアプリのテンプレートが用意されていて、後発ながら近年急成長しています。
Glide
スプレッドシートを用いて手軽に開発が可能。ECサイトから顧客管理まで様々な機能を実装可能。
bubble
業界では2012年創業と古参でユーザー数も随一。ビジュアルブロックを動かすだけで様々なアプリが開発可能。
ノーコード開発プラットフォームAdaloの優れたUIを体感しよう
それでは、実際にノーコード開発ツールの操作画面を見ていきましょう。今回は、ノーコード開発ツールのAdaloを見ていきたいと思います。

WEBブラウザ上でレゴを組み立てるような感覚でアプリ開発ができるのがAdaloの特徴です。
Adaloでは、コーチング、アポイントメント、辞典、To-Do List ECサイト、チャットの5種類のテンプレートが用意されており、テンプレートをベースにレゴを組み立てていく感覚でアプリの開発が出来ます。

データベースの構築もシンプルで直感的な操作により完結します。非エンジニアの方は、はじめは手こずるかも知れませんが、テンプレートを参考にして、組み立てていくと良いでしょう。

ノーコードアプリの開発事例
次に、実際にAdaloで開発されたアプリを紹介したいと思います。
「SPOTTO」
SPOTTOは、オンライン就活のアプリです。コロナにより激変した就活市場に対応したSPOTTOは、日本初のM&A案件として大手メディアでも紹介されています。

「ゲーマーマッチングアプリ」
ノーコード開発者として積極的に情報発信をしているあぽとさんの開発した「ゲーマーマッチングアプリ」は、ゲーム対戦者を募ったり、ゲームを教えてくれる人を探したりできます。

「定年退職者」
定年退職者は、定年退職した人と企業を繋ぐプラットフォームです。シニア人材の顧問紹介などは既に市場が形成されており、少子高齢化が進む今後も伸び続ける市場だと言えるでしょう。

これらのアプリはすべて1週間以内で開発されています。実際にアプリをみてみると数日で開発されたとは思えないクオリティに驚かされます。
また、先日No Code Japanの主催で行われたノーコードハッカソンでは、開発期間が数日を短いながらも数多くの魅力的なアプリが開発され、ノーコードアプリの将来性を改めて認識させるものとなりました。どのようなアプリが開発されたのか、是非、一度チェックしてみると良いでしょう。
ノーコード開発を学んでみよう
ノーコード開発はまだまだ発展途上であるため、学習環境が整備されているとは言えませんが、その分、有志の人達の献身的な普及活動が行われています。
まずは、以下のサイトを参考に自分のペースでノーコード開発ツールに触れてみるとよいでしょう。
ノーコード学習に役立つサイト
NoCode Japanでは、ノーコードの普及のため、ハッカソンやフォーラムを主宰するほか、ノーコード関連のニュースも配信されています。
NoCode専門オンラインサロン「NoCodeCamp」運営するNocode NinjaさんのNoteでは初心者向けのハウツー記事が数多く配信されています。
ノーコード関連のYoutubeチャンネルを運営しており、初心者向けに分かりやすく解説されています。
開発者たちと交流しよう
ノーコードに限らず、黎明期の産業では、アーリーアダプターたちの献身的な普及活動が業界を支えています。インターネットやビットコインの時もそうでしたが、黎明期における先駆者たちの相互扶助的なコミュニティが後々のマスアダプションに繋がったのです。
現在のノーコード業界でも開発者たちはお互いに質問しあったりレビューしあったりすることでお互いを高め合っています。
No Code Japanの提供するNoCode Forumでは、オープンな環境で、誰でも気軽に質問の投稿、および回答ができます。
分からないことがあったら参照してみると良いでしょう。ノーコードとは言えそれなりの学習コストはかかるので、業界の未来を担う仲間同士協力して、課題を解決していきましょう。

ノーコード業界のキーパーソンをチェックしよう
次に日本のノーコード業界を牽引する注目の開発者を紹介します。彼らの動向をチェックしてトレンドをいち早くキャッチしましょう。
・ノーコード博士

NoCode Japan創設者のノーコード博士は、日本初のノーコードアプリのM&A案件となったSPOTTOの開発者であり、Adalo公認エキスパートでもあります。ノーコード業界で大きな影響力を持っており、彼の動向からは目が離せません。
・あぽとさん

あぽとさんもノーコードエンジニアとして精力的に活動しており、数々のノーコードアプリを開発しています。Note やYoutube にて開発者の視点から初心者向けのコンテンツを配信しています。
・NoCodeNinjaさん

NoCode Ninjaさんもノーコードオンラインサロンを通じてノーコード開発の普及活動をしています。Noteも充実しており、ノーコード愛の溢れる記事の数々は、初学者の大きな助けとなるでしょう。
まとめ
今回は副業として注目をあつめるノーコード開発について紹介しました。
ノーコード開発ツールはまだまだ発展途上ですが、アプリ開発の敷居が大きく下がったことは間違えありません。気軽にアプリを開発できるようになったことで、今後、副業としても大きな注目をあつめることでしょう。
まずは気軽に自分が作りたいと思ったアプリを作ってみることから始めましょう。ノーコード開発ツールにより、アイディアをカタチにするハードルが劇的に下がったことで、あなたの創造性と可能性は大きく広がっているのです。